最近ナショジオで 「コスモス」 という番組を放送している。 随分と前にカール・セーガンの同名著書がベストセラーになり、本人が同名TV番組でも案内役を務めていた。 確か朝日系列の番組じゃなかったか。 当時静岡市内に住んでいて、静岡朝日TVの番組だったような記憶がある。 今の番組はニール・ドグラース・タイソンがホスト役だ。 サイエンスものはまずウケない、というその頃の日本TV業界の常識を覆して多くの人々が興味を持って視聴した。 ひとつにはカール・セーガン特有のエンターテナーな一面があり、ボイジャーが惑星の近接映像を送ってきた時代背景も後押しした。 もっとも、出版社も企画側もこの機を千載一遇と捉えていたには違いない。 但し、その反響は想定外だっただろうと思う。 人類の宇宙開発の中で、自分にはアポロよりボイジャーの方が数倍胸躍る出来事だった。 EXPO'70でアメリカ館の月の石が大変な見物行列を作ったらしいが、そんなものには全く興味がなかった。 ボイジャーが送ってくる電送写真こそ自分を虜にした憎たらしいものだ。 当時よく通っていた街中の蕎麦屋に 「なんたらグラフ」 という写真誌が発売毎に置かれていて、ざるを2,3枚啜りながらボイジャー撮影の最新画像を食い入るように見ていた。 あの 「コスモス」 というTV番組を録画したテープが今でも押し入れの箱に収まっている。 録画機器がないので職場で残業しつつ、会社のビデオデッキで録画した。 勿論、テープだけは自前だ。 思えばいい時代だった。 年月は流れ、今は自分のビデオデッキも動かなくなって久しい。 しかしながら録画テープだけは捨てられないでいる。
現在放送されている 「コスモス」 は明らかにカール・セーガンへのオマージュ番組だろう。 何十年もの時を経た今、科学の理論も天文機器も恐ろしいほどの進歩がある。 あの男が生きていればさぞかし喜んだことだろうと思うのは自分だけではあるまい。